釣った海水魚を飼育する為に必要な道具と方法
目次
海水魚を飼育するのに最低限必要なもの
水槽
初めて海水魚を飼育するのであれば60㎝以上の水槽がおすすめ!
水槽の大きさは、30㎝、45㎝、60㎝、90㎝、120㎝のサイズがあります。
基本的に水槽のサイズが大きいほど水量が多くなり水質や水温が安定して飼育しやすくなります。
ただ、水槽のサイズが大きい程場所をとってしまいますし、水換えする量も多くなってしまいます。
逆に水槽のサイズが小さいと水換えは楽にできますが、水量が少ないので水質が安定しないので海水魚を飼育するのが難しくなってしまいます。
なので、水量がある程度確保できて水換えなどのメンテナンスもそこまで大変ではない60㎝水槽が初心者の方にはおすすめです!
ろ過装置
ろ過装置は下記のような種類があります。
- 投げ込み式フィルター
- スポンジフィルター
- 外掛け式フィルター
- 底面フィルター
- 上部式フィルター
- 外部式フィルター
- オーバーフロー式フィルター
この中でろ過能力が一番高いのはオーバーフロー式フィルターですがコストが高く設置場所を取るので手軽に海水魚を飼育したい方にはおすすめしません。
初心者の方は上部式フィルターがおすすめです!
上部式フィルターは多くのろ材を入れることができるのでろ過能力も比較的高めでメンテナンスもしやすいので初心者の方でも比較的簡単に海水魚を飼育することが可能です。
*海水非対応の商品もあるので海水魚を飼育する場合は必ず海水に対応している商品を選んでください。
ろ材
ろ材はろ過装置内に設置して水を綺麗にし生き物が住みやすい環境を作ります。
ろ材には3つの種類があります。
- 物理ろ過
- 生物ろ過
- 化学ろ過
物理ろ過
物理ろ過は、水槽内の生物の糞や残り餌などの物理的なゴミを取り除くことができます。
ウールマットやスポンジで物理ろ過をすることができます。
物理ろ材は比較的安価で購入することができ、物理ろ材は汚れてきたら目詰まりして水の流れが悪くなるので汚れてきたら交換しましょう。数回であれば洗って使うこともできます。
生物ろ過
生物ろ過は、バクテリアの働きによって有害物質を無害化することができます。
生物ろ材はセラミックろ材・ガラスろ材・スポンジろ材などの素材があります。形状はリング状・ボール状・粒状・スポンジがあります。
化学ろ過
化学ろ過は、水の黄ばみや白濁、臭いを取り除くことができます。
化学ろ材は活性炭やゼオライトなどがあります。基本的に1~3か月で交換する必要があります。
人工海水の素
「食塩を水に溶かせば海水になるのでは?」と思うかもしれませんが、それでは海水魚を飼育することはできません。
自然の海水にはミネラルなどの成分が含まれており、ただの食塩を水に溶かした物では海水魚を飼育できないのです。
そこで必要なのが人工海水の素になります。
人工海水の素には、ミネラルなどの成分が含まれており自然の海水に近い海水を再現することができます。
人工海水の素の使い方は、カルキ抜きした水道水に人工海水の素をパッケージに書かれている分量を溶かして使用します。(人工海水の素に中にはカルキ抜き成分が含まれている物もあります。)
自然の海水を汲んできて飼育水にすることはできるのか?
結論から言うと、飼育水にすることは可能です!
ただ、自然の海水を飼育水にするにはメリットとデメリットがあります。
メリット
- その日から海水魚を飼育することができるようになる
デメリット
- 病気の原因になる細菌や寄生虫などの不純物が含んでいる可能性がある
- 大量の海水を運ぶ手間がかかる
どうしてもすぐに海水魚を飼育したい場合は自然の海水を使用してもいいと思いますが、
カルキ抜き剤
日本の水道水には塩素(カルキ)が含まれています。この塩素(カルキ)は強い殺菌力がある為、水槽に水道水をそのまま使用してしまうと水槽内の水をきれいにするバクテリアや魚類全般にダメージを与えてしまいますので必ずカルキ抜きをした水を使用しましょう。
カルキ抜きの使い方は、水道水にカルキ抜き剤のパッケージに書かれている分量を入れて混ぜるだけです。
比重計
比重計は人工海水を作るときに使用します。
比重計は大きく分けて3種類あります。プラスチック製、ガラス製、屈折計の3種類です。
一般的に使用されているのがプラスチック製の比重計で、低価格で簡単に使用することができます。
照明
照明は海水魚の生活リズムを整えることや観賞性を向上させる為に必要になります。
照明には「蛍光灯」「LED」「メタルハイドライト」の3種類があります。
蛍光灯は比較的安価で手に入れやすいですが電気代が結構かかってしまいます。
LEDは電気代が安く寿命も長いのでとりあえずLEDを選んでおけば問題ないです。
メタルハイドライトは、強力な照明を必要とするサンゴ水槽で使われることが多いです。
水温計
魚を飼育する上では水温を管理し適正な水温保つ必要があるので水温計は必要になります。
水温計は「アナログ」と「デジタル」の2種類があります。
アナログ水温計は、液体が指す目盛りを読み取り水温を測ります。安価で種類が豊富にあります。
デジタル水温計は、液晶画面にデジタルで水温が表示されます。アナログ水温計に比べると値段が少し高くなる。
ヒーター
ヒーターは冬の寒い時期に魚が低水温で死んでしまわないようにする為に必要になります。
ヒーターには温度固定式と温度可変式の2種類があります。
温度固定式は、あらかじめ設定された温度に水温を保つヒーターです。
温度可変式は、自分で設定した温度の水温に保つことができるヒーターです。
温度可変式は固定式に比べて価格が高くなります。
深い場所に住んでいる海水魚を飼育する場合は、水温を自分で設定することができる温度可変式のヒーターを選びましょう。
おすすめの水槽セット
アクアリウムは、たくさんの水槽や機材がありどれを選んだらいいかわからないと悩んでしまう初心者の方が多いと思うので、まずは水槽と機材が一式そろうセットを購入するのがおすすめです。
60㎝水槽:GEX ラピレスRV60DT LEDセット
水槽サイズ:約幅60×奥行30×高さ36cm
水容量:約56L
セット内容
- ガラス水槽
- LEDライト
- 上部式フィルター(2種類のろ過材付き)
- ヒーター(温度固定式)
- ガラスフタ
- カルキぬき
- 水質調整剤
追加で購入しないといけない物
60㎝水槽:寿工芸 プログレ600 8点 LED
水槽サイズ:約幅60×奥行30×高さ36cm
セット内容
- ガラス水槽
- LEDライト
- 上部フィルター(3種類のろ過材付き)
- ヒーター(温度可変式)
- ガラスブタ
- カルキぬき
- バックスクリーン
- 水温計
追加で購入しないといけない物
必須ではないけどおすすめのアイテム
必須ではないけどおすすめなアイテムは下記のアイテムです。
- サンゴ砂(底砂)
- ライブロック
- エアレーション
サンゴ砂(底砂)
底砂はベラなどの砂に潜る魚以外であれば底砂は基本的になくても大丈夫です。
サンゴ砂を敷くメリット
- バクテリアが付着し水質が安定する
- 見栄えが良くなる
サンゴ砂を敷くデメリット
- 魚のフンやゴミが溜まりやすく病原菌の温床になってしまう
ライブロック
ライブロックはサンゴの死骸に微生物などの小さな生物が付着した生きた岩のことです。
ライブロックを入れるメリット
- 水質が安定する
- 水槽のレイアウトになる
ライブロックを入れるデメリット
- 魚に悪影響な生物が付いてる可能性がある
- 魚病薬を使うことができない
エアレーション
エアレーションは、エアーポンプを使用して水中に酸素を供給するものです。
エアレーションのメリット
- 水中への酸素の供給
- バクテリアの働きが活発になり水質の維持がしやすくなる
- 水を循環させることができ油膜防止になる
- 夏場の高温対策になる
エアレーションのデメリット
- 水面で泡が弾けて水はねする
- 泡が弾ける音やエアポンプの振動音などがする
釣りに行く前に準備する事
釣りに行く前にまず魚を飼育する為の環境を整えましょう。
- 水槽とろ過装置を水洗いする
- 水道水の水をカルキ抜き剤を使ってカルキを除去する
- カルキ抜きした水に人工海水の素を溶かし飼育水を作る
- 水槽に飼育水を入れろ過装置をセッティング
- ろ過装置の電源を入れ1週間程度運転させる
釣った魚を持ち帰る為に必要なもの
- クーラーボックスorバッカン
- エアーポンプ(電池式)
飼育する海水魚を釣ろう
魚を飼育する環境ができたら次は飼育する魚を釣りに行こう!
魚が釣れたらできるだけ手で魚を触らずに針を外し海水の入ったクーラーボックスやバッカンなどの入れ物に入れてあげましょう。
エアーポンプを使用して魚が酸欠にならないようにしましょう。
注意点
- 魚を手で触ったりすると魚が弱ってしまい家に持ち帰るまでに死んでしまう可能性が高くなるので注意!
- 夏場の気温が高い日はこまめに海水を入れ替えて水温が高くならないようにしましょう。
水合わせに必要なもの
- エアーチューブ
- 一方コック
- バケツ
- 網
釣った魚を家に持ち帰ってからやる事
釣ってきた魚をすぐに水槽に入れるのはNG!
まず家に帰ってきたら水合わせをしましょう。
水合わせとは?
水合わせとは環境の変化に生体が弱ったりしないように水質と水温を合わせる作業になります。
pHや水温が違う水槽に急に入れてしまうと、生体に負荷がかかりショック症状を起こし弱ってしまうので家に持ち帰ったらいきなり魚を水槽に入れずに水合わせを必ずやりましょう。
水合わせのやり方
- 魚を袋に入れ水槽に浮かべて水温を合わせる(30分~1時間程度)
- 袋に入った魚をバケツなどに入れる
- 水槽の水をちょっとずつ入れる(1時間程度)
- 魚だけを網ですくい水槽に入れる
1.魚を袋に入れ水槽に浮かべて水温を合わせる
まずは海から持ち帰ってきた魚と海水を袋に入れ、袋ごと水槽に浮かべて「袋の中の海水」と「水槽の海水」の水温を同じにしていきます。
水温を合わせるのは大体30分~1時間程度で大丈夫です。
2.袋に入った魚をバケツなどに入れる
水温合わせが終わったら、袋に入った魚と海水をそのままバケツに入れてあげます。
3.水槽の水をちょっとずつ入れる(1時間程度)
「エアチューブ」と「一方コック」を使用しサイフォンの原理で水槽の海水をちょっとずつバケツに入れていきます。
あらかじめ水槽より低い位置にバケツを置いておきます。
「エアチューブ」と「一方コック」を接続しエアチューブを水槽に入れ、一方コックの部分を口で吸って海水が口に入る前にバケツに入れてあげましょう。
海水が出ていることが確認できたら一方コックのつまみをひねって水量を調整します。(1秒に5滴くらいの量)
そのまま1時間程度放置する。
4.魚だけを網ですくい水槽に入れる
水合わせが終わったら、バケツから魚だけを網ですくい水槽へ移動させれば完了です。